パリの交通機関を使いこなすためには、コレ

セーヌ川が街を横断し、歴史的な建造物や素敵なブティックが密集するパリ。
どこを歩いても絵になるパリは、知らず知らずに5キロ、6キロと平気で歩けてしまう街なのです。
ダイエット旅行と決め込んで気合を入れているなら話は別ですが、翌日はクタクタで楽しみも半減!なんてことも…(経験者談)

メトロやバス、トラムにバトビュス(船)など、移動手段が豊富なところもパリの魅力。
パスやチケットをうまく使って移動時間も楽しんじゃいましょう。

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1.パリ交通の基本:zone(ゾーン)

パリはイル=ド=フランス(ile-de-france)という地域圏に属しています。
日本でいうと、東京が首都圏、関東地域に属している関係性に似ているかもしれません。
以下は、イル=ド=フランスの簡易図。
“パリ”と呼ばれている地域は黄色い円の深緑枠の内側”zone1″です。
山手線の内側とほぼ同じ面積に、主要な観光スポットがギッシリ詰まっています。
ここを中心にzone2~5のレイヤーがあり、数が増える毎にパリからの距離も遠くなり、料金も上がっていきます。

zone__touristes.jpg

地図からも分かるように、パリの市内観光だけが目的の方は、zone1をカバーしたチケットを購入すれば十分かもしれません。

パリ郊外(zone2〜5)の主な観光地・空港

東京から鎌倉やTDLに行くように、パリからベルサイユやディズニーランド・パリなど、郊外へ行くご予定の方は行き先のzoneを事前に確認しておきましょう。
以下はzone3-5の主な観光地です。
パリ・メトロメトロ パリ・ERERER トラムトラム SNCFフランス国鉄

zone 観光地、空港:駅名
2 ヴァンセンヌ城*、ヴァンセンヌの森:Château de Vincennes パリ・メトロパリ・メトロ1号線
3 新凱旋門(グランダルシュ):La Défense – Grande Arche パリ・メトロパリ・メトロ1号線、La Défense トラムトラム2号線パリ・EREERE A線
セーブル陶磁器博物館*:Pont de Sèvres(M9)、Musée de Sèvres トラムトラム2号線
4 ベルサイユ宮殿*:Versailles Rive Gauche Château de Versailles パリ・EREERE C線
メゾン・ラフィット城*:Maisons-Laffitte パリ・EREERE A線
オルリー空港:Aéroport d’Orly パリ・EREERE C線
5 ラ・ヴィラ・ヴィラージュ(アウトレット):Val d’Europe パリ・EREERE A線
ディズニーランド・パリ:Marne la Vallée Chessy Parcs Disneyland® パリ・EREERE A線
シャルル・ド・ゴール空港:Aéroport Charles de Gaulle 1,2 パリ・EREERE B線
フォンテーヌブロー城*:Fontainebleau-Avon(SNCF Gare de Lyon発) 下車後のバスもzone5範囲内
サヴォア邸*:Poissy(パリ・EREERE A線終点)
(参考)外 シャンティイ城*:Chantilly-Gouvieux(SNCF Gare du Nord発、パリ・EREERE D線)
※シャンティイ城の最寄り駅Chantilly-Gouvieux駅から4つ手前のSurvilliers – Fosses駅まではzone5が適用される
ただし、車内や下車時の清算はできないので、一度下車してチケットを購入する必要がある。
Navigo Découverteの場合は、有効範囲内の駅で追加チャージをしておかなくてはいけない。
日本の感覚で うっかり乗り過ごすと、罰金をとられるので要注意!!

運行状況、zoneの確認

パリ交通公団(RATP)のインタラクティブマップは出発地と目的地を検索したり、現在工事中区間などの確認ができるので、便利

2.パリの旅行者に効く切符・パス

パリ市内観光のみで切符・パスを比較

まずは、市内観光の範囲で比較。
※料金は2017年10月30日現在

切符・パス イメージ zone 料金 有効期間 備考
Ticket t+/チケットt+ Ticket-t-carnet.jpg 1 1枚:1.90€
10枚綴り:14.90€
なし
  • 1枚売りと回数券(10枚綴り1枚綴×10枚より25%お得)がある
  • Orlybus, Orlyval, Roissybusなど、RERを含め空港からの交通に使用不可
  • モンマルトルのケーブルカーも使用できる

※乗り継ぎのルールについて、Ticket t+の乗り継ぎをご覧ください

Mobilis / モビリス mobilis.jpg 1-2 7.50€ 1日
  • 1枚で1日乗り放題。対象交通機関はTicket t+と同じ
  • 1日の有効期限は午前0から23時59分まで
  • Orlybus, Orlyval, Roissybusなど、RERを含め空港からの交通に使用不可
Navigo découverte / ナヴィゴ・デクベルト navigo-dec-log.jpg 1-5 22.80€ 月曜~日曜
  • これまでの1-2、1-3、1-4などが廃止され1-5に統一(以前は1-5で35€程)
    この他、一月分(72.5€)や2zone(2-3、3-4、4-5)がある
  • 週内有効の乗り放題パス。対象週の月曜~日曜まで有効
    その週の木曜日まで購入可能なので、有効期間は4日~7日間
  • 発行手数料は5€かかるが、繰り返しチャージできる
  • パス自体の有効期限は、最後のチャージから10年
  • 4つの中で唯一のタッチ式
  • Orlyval、指定席以外の全ての交通に乗車可能

※デザインが変わりましたが、旧カードも利用可能です

Paris Visite / パリ・ヴィジット paris_visite.jpg
paris visite1~3日
1-3 1日:12.00€
2日:19.50€
3日:26.65€
5日:38.35€
1日
2日
3日
5日
  • 観光客向けの交通機関乗り放題パス
  • イメージでは記載していないが、改札を通る時は付属のチケット(Ticket t+と同じような切符)を使用する
  • 対象交通機関はNavigoとほぼ一緒(1-5の場合は、唯一Orlyvalが利用可能
  • Navigoに比べると割高感が否めない(Navigoは1-5:4~7日で22.80€)。
  • 優待割引などのサービスもあるが、その範囲から正直あまりお得感を感じない
    ⇒特典については、パリ・ミュージアム・パスや事前予約、クレジットカードの特典などを使えば、余裕でカバーできる
    (正直何故ゴリ押しされているのか不明です、もし認識違いだったら教えてください!)

Ticket t+の乗り継ぎについて

zone1内であれば、1枚で以下の乗り継ぎが可能です。
▼最初の印字から最後の印字までが2時間以内なら有効
メトロ⇒メトロ、メトロ⇒RER、RER⇒RER

▼最初の印字から最後の印字までが90分以内なら有効
路線バス⇒路線バス(RATP 及びOPTILE含む)
路線バス⇒トラム、トラム⇒トラム
ソース:RATPのTicket t+

パリ郊外を含めた切符・パスを比較:zone3以上

※料金は2017年10月30日現在

切符・パス イメージ zone 料金 有効期間 備考
Mobilis モビリス mobilis.jpg 1-3
1-4
1-5
10.00€
12.40€
17.80€
1日
  • 1枚で1日乗り放題。対象交通機関はTicket t+と同じ
  • 1日の有効期限は午前0から23時59分まで
  • Orlybus, Orlyval, Roissybusなど、RERを含め空港からの交通に使用不可
Navigo découverte / ナヴィゴ・デクベルト navigo-dec-log.jpg 1-5 22.80€ 月曜~日曜
  • これまでの1-2、1-3、1-4などが廃止され1-5に統一(以前は1-5で35€程)
    この他、一月分(72.5€)や2zone(2-3、3-4、4-5)がある
  • 週内有効の乗り放題パス。対象週の月曜~日曜まで有効
    その週の木曜日まで購入可能なので、有効期間は4日~7日間
  • 発行手数料は5€かかるが、繰り返しチャージできる
  • パス自体の有効期限は、最後のチャージから10年
  • 4つの中で唯一のタッチ式
  • Orlyval、指定席以外の全ての交通に乗車可能

※デザインが変わりましたが、旧カードも利用可能です

Paris Visite / パリ・ヴィジット paris_visite.jpg
paris visite1~3日
1-5 1日:25.25€
2日:38.35€
3日:53.75€
5日:65.80€
1日
2日
3日
5日
  • 観光客向けの交通機関乗り放題パス
  • イメージでは記載していないが、改札を通る時は付属のチケット(Ticket t+と同じような切符)を使用する
  • 対象交通機関はNavigoとほぼ一緒(1-5の場合は、唯一Orlyvalが利用可能
  • Navigoに比べると割高感が否めない(Navigoは1-5:4~7日で22.80€)。
  • 優待割引などのサービスもあるが、その範囲から正直あまりお得感を感じない
    ⇒特典については、パリ・ミュージアム・パスや事前予約、クレジットカードの特典などを使えば、余裕でカバーできる
    (正直何故ゴリ押しされているのか不明です、もし認識違いだったら教えてください!)

あなたにオススメの切符・パスは?

滞在期間などにも依りますが、個人的はMobilisかNavigo découverteが断然おすすめです。
理由は、有効期間中は無限に乗車できますし、なんと言ってっも手軽な価格です(パリ・ヴィジットを見ると割高過ぎて納得できません)
また、10枚綴りのチケットを購入⇒残数が気になる⇒結局追加購入or少しの距離×数回で結局、長距離歩く羽目に⇒疲れ果てて途中から楽しむ余裕がなくなってしまった…なんていう話をよく聞きます。
旅行の鉄則は、限りある時間を有効に使うこと!
もったいないことにならないよう事前に自分の予定にあったパスを調べておきましょう。

じゃぁ、MobilisとNavigo découverteどっちがいいの?

料金の目安は、モビリス×3日分>ナヴィゴ・デクベルト(1週間)
∴同じ週の月~日曜日の間で3日以上移動日があるの場合:Navigo découverte
∴同じ週の月~日曜日の間で3日未満しか移動日がない場合:Mobilis

モデルケース:木曜日到着、翌週の火曜日の夜出発
Navigo découverte:月~木に到着で3日以上移動日があれば、買い!
Mobilis:出発日に移動予定・時間がなければ、月曜日のみ購入
※Paris Visite(パリ・ヴィジット)も入れた3者比較はパリ・ヴィジットって使えるの?>他のパスとの料金比較に掲載

今週
翌週

移動の少ない旅程や1,2日の滞在であればTicket t+で足りる場合もあるので、事前に予定を確認しましょう。

旅行者に効く観光交通

L’OpenTour(パリ・オープン・ツアー)

土地勘をつけるために、L’OpenTourに乗ってみましょう。
パリ初級者に特にオススメです(私は今でもたまに乗りたくなりますが…)open tour.jpg
リピーターにとっては今更かもしれませんが、これが結構便利なのです。
地図とイヤホンをくれるので、説明を聞きながら(日本語あり)パリの地理を何となく把握することができます。
また、各名所で数分停まってくれるので、外観だけ見れば気が済みそうなものは、バスから堪能と撮影でミッション完了!
スリなどの心配がほぼないので、安心して楽しめる所も魅力です(それでも貴重品はシッカリ!)

ほとんどの名所は網羅されているので、観光巡りが目的なら、Ticket t +とL’OpenTourで十分かもしれません。
この方法は本数が多く、バスの営業時間が長い4月中頃から10月末に限ります。

詳細についてはParis L’Open Tourの取説をご覧ください。

セーヌ川クルーズ

時間のつなぎさえ良ければ、船も交通手段として悪くありません。
とは言えゆっくりなので、あくまで遊覧に近い形で組み込むのがおすすめ。
食事なしのクルーズはバトームッシュやバトーパリジャンの他、ヴデット・デュ・ポン・ヌフ、Batobusなどがある。
詳細についてはセーヌ川クルーズ徹底比較をご参照ください。

batobus公式サイトより
batobus公式サイトより

流石、観光立国フランス!

交通手段も多く、迷ってしまうぐらいパスやチケットが充実しています。
限られた時間だからこそ、事前リサーチで移動も楽しんじゃいましょう!
それでは、皆さんBon voyage!

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Notes de voyage管理人
リクルート、医療系マーケティング会社等へ経て、現在は事業コンサルトとして活動中。 2008年に念願のパリ留学(2ヶ月の短期ですが…)を果たし、頻繁にヨーロッパへ通うも、最悪の相性からか(?)必ず災難に遭遇する。 近年は、本業が忙しいため、近場を彷徨いつつ、○年後に世界一周を目論んでいる。 趣味は旅行、リサーチ、食べ歩き。
https://www.voyages.jp/

2 thoughts on “パリの移動手段を制覇する

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